皆さんこんにちは!
羽田鉄筋工業、更新担当の中西です。
さて今回は
~設計から組み立て~
ということで、今回は、そんな鉄筋工事の「設計から組み立てまで」の流れを、実務経験に基づいた視点で深く解説いたします。
目次
設計から組み立てまで、構造物の“骨”をつくる工程のすべて
鉄筋工事は、建物の“骨格”をつくる極めて重要な工事です。見えない部分であるがゆえに、設計精度・施工精度のどちらも高いレベルが要求されます。
鉄筋工事の役割と基本知識
■ 鉄筋コンクリート造(RC造)における鉄筋の役割
鉄筋はコンクリート構造物の「引張力」を担う素材です。
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コンクリート:圧縮には強いが、引張には弱い
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鉄筋:引張には強いが、圧縮には弱い
この両者の欠点を補い合い、強靭な構造を実現するのが「鉄筋コンクリート構造(RC構造)」です。
📌 鉄筋の配置や本数が適切でなければ、構造物の安全性に直結する重大な問題となります。
鉄筋工事の流れ ~設計から組み立てまで~
✅ ① 【設計図の確認】~構造設計の読み解き
まず最初に、建築士や構造設計士によって作成された**構造図・鉄筋詳細図(配筋図)**を確認します。
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梁・柱・スラブ・基礎ごとの配筋本数・間隔・継手位置などをチェック
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断面寸法・かぶり厚(鉄筋からコンクリート外面までの距離)
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フック(曲げ)・アンカーボルトとの取り合いなど
📐 図面の読み違いは、施工ミス・品質低下・是正工事の原因になるため、入念な確認が必要です。
✅ ② 【加工帳の作成】~鉄筋の準備段階
施工図に基づいて、鉄筋を加工・運搬するための「加工帳(鉄筋リスト)」を作成します。
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鉄筋径(D10〜D32など)と長さ
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フックの形状(L型、U型、135度、90度など)
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定着長さ・継手長さなどを含めた加工形状
🔧 ミリ単位の精度が求められるこの工程が、全体の品質を左右します。
✅ ③ 【鉄筋の加工】~工場または現場加工
加工帳をもとに、鉄筋を切断・曲げ加工します。
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専用の鉄筋ベンダーやカッターを使用
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加工精度は「±10mm以内」が原則(JASS 5など建築基準に準拠)
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番線などでまとめ、タグ付けして搬入準備
📦 最近ではプレファブ化(工場加工)が進み、現場での加工を最小限に抑える傾向があります。
✅ ④ 【搬入・荷揚げ】~段取りの要
現場へ鉄筋を搬入し、施工階・作業エリアごとに分別配置します。
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搬入計画(トラック・クレーンの段取り)
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鉄筋の保管方法(雨除け・腐食防止)
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各フロアへの仮置き・運搬経路確保
📌 鉄筋は重くて長いため、通行人や他工種との干渉に十分注意が必要です。
✅ ⑤ 【組み立て(配筋)作業】~技術の要となる工程
ここからが本番。設計図に基づいて鉄筋を正確な位置に、決められた方法で組み立てていきます。
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鉄筋の配置(主筋・あばら筋・スターラップ)
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結束線(番線)による手結び or 結束機使用
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重ね継手の長さ確保(SD295、SD345など材質に応じて変化)
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かぶり厚の確保(スペーサーブロックを活用)
📷 配筋完了後には、配筋検査(自主検査・設計監理者の検査)が行われます。
✅ ⑥ 【検査・是正】~品質と構造安全の保証
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設計者・監理者による「配筋検査」
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寸法・継手長さ・本数・間隔・かぶり厚のチェック
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是正が必要な場合は指示に従い補修・報告書提出
💡 最近は写真付きの電子記録(配筋管理アプリ)の導入も進んでいます。
✅ ⑦ 【コンクリート打設】~鉄筋が見えなくなる前に
鉄筋検査が終わったら、次工程の型枠・コンクリート打設に移ります。
ここで大切なのが
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鉄筋が動かないように型枠・バイブレーターによる慎重な作業
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打設中にかぶり厚が変わらないようスペーサーを固定
📌 一度コンクリートを流し込めば、鉄筋は見えなくなる。
だからこそ、施工前と施工中の「確認と記録」が非常に重要です。
鉄筋工事の“質”を左右する3つの要素
① 図面理解力
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読み間違いひとつで大きな手戻りや構造欠陥に
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教育・研修で図面の読み方を学ぶ機会が必須
② 組立の技術力
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熟練の職人ほど、「結束の早さ」「精度の高さ」が違う
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経験と段取りの積み重ねが、現場の信頼を生む
③ チーム連携と安全意識
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他工種との工程調整
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クレーン・荷揚げ班・型枠班との連携
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重量物取り扱いのため、常に危険と隣り合わせ
👷♂️「一人ひとりの責任感」が、構造物全体の安全につながります。
鉄筋工事は「見えない安全」をつくる仕事
鉄筋工事は、建物の根幹をつくる誇りある仕事です。
コンクリートに隠れてしまうけれど、その中には職人たちの知恵と技術、そして責任が詰まっています。
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設計の精度
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加工の正確さ
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組立の丁寧さ
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チームワークの強さ
これらがそろって初めて、「人の命を守る建物」が完成するのです。
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