羽田鉄筋のよもやま話~雑学講座9~

羽田鉄筋のよもやま話~雑学講座9~

皆さんこんにちは!
羽田鉄筋工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~設計から組み立て~

ということで、今回は、そんな鉄筋工事の「設計から組み立てまで」の流れを、実務経験に基づいた視点で深く解説いたします。

設計から組み立てまで、構造物の“骨”をつくる工程のすべて

鉄筋工事は、建物の“骨格”をつくる極めて重要な工事です。見えない部分であるがゆえに、設計精度・施工精度のどちらも高いレベルが要求されます。


鉄筋工事の役割と基本知識


■ 鉄筋コンクリート造(RC造)における鉄筋の役割

鉄筋はコンクリート構造物の「引張力」を担う素材です。

  • コンクリート:圧縮には強いが、引張には弱い

  • 鉄筋:引張には強いが、圧縮には弱い

この両者の欠点を補い合い、強靭な構造を実現するのが「鉄筋コンクリート構造(RC構造)」です。

📌 鉄筋の配置や本数が適切でなければ、構造物の安全性に直結する重大な問題となります。


鉄筋工事の流れ ~設計から組み立てまで~


✅ ① 【設計図の確認】~構造設計の読み解き

まず最初に、建築士や構造設計士によって作成された**構造図・鉄筋詳細図(配筋図)**を確認します。

  • 梁・柱・スラブ・基礎ごとの配筋本数・間隔・継手位置などをチェック

  • 断面寸法・かぶり厚(鉄筋からコンクリート外面までの距離)

  • フック(曲げ)・アンカーボルトとの取り合いなど

📐 図面の読み違いは、施工ミス・品質低下・是正工事の原因になるため、入念な確認が必要です。


✅ ② 【加工帳の作成】~鉄筋の準備段階

施工図に基づいて、鉄筋を加工・運搬するための「加工帳(鉄筋リスト)」を作成します。

  • 鉄筋径(D10〜D32など)と長さ

  • フックの形状(L型、U型、135度、90度など)

  • 定着長さ・継手長さなどを含めた加工形状

🔧 ミリ単位の精度が求められるこの工程が、全体の品質を左右します。


✅ ③ 【鉄筋の加工】~工場または現場加工

加工帳をもとに、鉄筋を切断・曲げ加工します。

  • 専用の鉄筋ベンダーやカッターを使用

  • 加工精度は「±10mm以内」が原則(JASS 5など建築基準に準拠)

  • 番線などでまとめ、タグ付けして搬入準備

📦 最近ではプレファブ化(工場加工)が進み、現場での加工を最小限に抑える傾向があります。


✅ ④ 【搬入・荷揚げ】~段取りの要

現場へ鉄筋を搬入し、施工階・作業エリアごとに分別配置します。

  • 搬入計画(トラック・クレーンの段取り)

  • 鉄筋の保管方法(雨除け・腐食防止)

  • 各フロアへの仮置き・運搬経路確保

📌 鉄筋は重くて長いため、通行人や他工種との干渉に十分注意が必要です。


✅ ⑤ 【組み立て(配筋)作業】~技術の要となる工程

ここからが本番。設計図に基づいて鉄筋を正確な位置に、決められた方法で組み立てていきます。

  • 鉄筋の配置(主筋・あばら筋・スターラップ)

  • 結束線(番線)による手結び or 結束機使用

  • 重ね継手の長さ確保(SD295、SD345など材質に応じて変化)

  • かぶり厚の確保(スペーサーブロックを活用)

📷 配筋完了後には、配筋検査(自主検査・設計監理者の検査)が行われます。


✅ ⑥ 【検査・是正】~品質と構造安全の保証

  • 設計者・監理者による「配筋検査」

  • 寸法・継手長さ・本数・間隔・かぶり厚のチェック

  • 是正が必要な場合は指示に従い補修・報告書提出

💡 最近は写真付きの電子記録(配筋管理アプリ)の導入も進んでいます。


✅ ⑦ 【コンクリート打設】~鉄筋が見えなくなる前に

鉄筋検査が終わったら、次工程の型枠・コンクリート打設に移ります。

ここで大切なのが

  • 鉄筋が動かないように型枠・バイブレーターによる慎重な作業

  • 打設中にかぶり厚が変わらないようスペーサーを固定

📌 一度コンクリートを流し込めば、鉄筋は見えなくなる
だからこそ、施工前と施工中の「確認と記録」が非常に重要です。


鉄筋工事の“質”を左右する3つの要素


① 図面理解力

  • 読み間違いひとつで大きな手戻りや構造欠陥

  • 教育・研修で図面の読み方を学ぶ機会が必須


② 組立の技術力

  • 熟練の職人ほど、「結束の早さ」「精度の高さ」が違う

  • 経験と段取りの積み重ねが、現場の信頼を生む


③ チーム連携と安全意識

  • 他工種との工程調整

  • クレーン・荷揚げ班・型枠班との連携

  • 重量物取り扱いのため、常に危険と隣り合わせ

👷‍♂️「一人ひとりの責任感」が、構造物全体の安全につながります。


鉄筋工事は「見えない安全」をつくる仕事

鉄筋工事は、建物の根幹をつくる誇りある仕事です。
コンクリートに隠れてしまうけれど、その中には職人たちの知恵と技術、そして責任が詰まっています。

  • 設計の精度

  • 加工の正確さ

  • 組立の丁寧さ

  • チームワークの強さ

これらがそろって初めて、「人の命を守る建物」が完成するのです。

 

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